エチオピアの次期首相
2月15日にハイレマリアム・デサレン首相が辞意を表明してから、エチオピアの次期首相が誰になるのか、幾つかのメディアが報じています。
2月23日のアルジャジーラのウェブサイトに掲載された”Who will be Ethiopia’s next prime minister?”を簡単にまとめてみました。
アメリかを拠点に活動するエチオピア研究者、ハッサン・フセイン(Hassen Hussein)氏の見解
ハイレマリアム・デサレン氏が首相になってからの抗議活動の根源は、エチオピアで最も人口の多いオロモ人(全人口の34%)が、政治活動や経済活動において周辺化されていることである。オロモ人を首相にしない限り、その影響は壊滅的なものになる。
テレンス・リオン(ジョージ・メイソン大学紛争解決研究科准教授)(注1)の見解
注1:原文は”an associate professor at the School of Conflict Analysis and Resolution at George Mason University”
もしも、副総理であるアムハラ人、デメケ・マッコーネンのような人物が首相になった場合には、オロモ人の抗議活動にガソリンを注ぐようなものである。
ツェデレ・レンマ(Tsedale Lemma)、アディス・スタンダード・ニューズペーパーの編集長の見解
エチオピアは国民の要望を聞き入れ、国民の意見が反映されるような政治体制、つまりは抜本的な変化を求めている。
国民が求めているのは、首相が変わることではない。政治体制の全てを変えるような、抜本的な変化を求めている。
しかし、治安や経済発展に縛られる状況においてエチオピアに改革をもたらすことができる人物はいるのだろうか?これらに縛られない完全に独立した首相になどなれるわけないので、結局首相に選ばれた人は「ハイレマリアム2世」になってしまうだろう。
ただ2020年に予定されている選挙の前に、暫定政府を作るための解散総選挙に野党を参加させたり、国民対話に参加させることで、国民にエチオピアは変わろうとしているんだ、と納得させることはできるだろう。
野党はこれまで議会に参加できなかったり、反テロ活動規制によって野党のリーダーを勾留したりしてきたが、これからは国民がそれぞれが求めている人物が彼らの代表になっており、彼らの代表が政治を行っていると意識してもらうことが重要である。
このような体制の前提政府を作ることができれば、今の与党が崩壊することはないだろう。しかし、頭を挿げ替えるだけでは、エチオピア国民は必ず抗議活動を行うだろう。
アルジャジーラの報道によると、現在次期首相の候補としてあげられているオロモ人には、オロミア州知事のレンマ・メゲルサ(Lemma Megersa)や副知事のアビイ・アマッド(Abiy Ahmed)氏がおり、OPDOはレンマ・メゲルサ氏に代わって、アビイ・アマッド氏を党代表にするという決断をすでにしているので、OPDOはアビイ・アマッド氏を首相に推薦する姿勢と考えることができるとしている。
もしも、アビイ・アマッド氏がエチオピアの首相になった際には、オロモ人であり、イスラム教徒が首相になることになるので、歴史的にも非常に大きな出来事になるでしょう。
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