エチオピア滞在記(2003年10月3日):現地顔
海外にいくたびかならず現地語で道を聞かれる私はなにもの?
伊瀬義治
私はよく旅行先でそこに住んでいる現地の人に間違われることが多い。
旅行先でかなりの頻度で道を聞かれるのである。
しかも、現地の言葉で。
たとえば、カナダのモントリオールでフランス語で道を聞かれたり。
さて、今回はエチオピアに出かけると言っても、まず向かうのはバンコクである。
旅行会社で働いている知り合いにいろいろと相談してみたところ、バンコクでエチオピア行きのチケットを購入するのが一番安いということを教えてもらった。
ということで、ルートは関空発、ソウル経由、バンコク。
バンコクで一泊し、次の日にバンコクの旅行会社でチケット購入。
そして、その日の夜にエチオピアに向かうという旅程である。
さて、機内。はたまた面白いことが起こった。
ゲートの前で搭乗を待っている時から、気がついてはいたのだが、関空からソウル行きの便なので、乗客の多くは日本人である。
基本的に日本語しか聞こえてこない。
時々、日本人のような顔つきではあるものの、洋書を読んでいるような人がいる。
多分、日本人ではなく韓国人なのだろう。
そして機内。
ドリンクをサーブする時間がやってきて、前の方からCAさんが「お飲み物は何にしますか?」と日本語でお客様にたずね、飲み物を提供している。
で、私のところにもCAさんがやってきたのだが聞こえてきたのは聞き慣れないフレーズ。
「음료는 무엇으로 하시겠습니까?」
おそらく、このように言ったのだと思う。
韓国語である。
この日本人のお客様が多い中で、おそらくCAさんも日本人で、さらに私の直前のお客様に対しては日本語で
「お飲み物は何になさいますか?」
と聞いていたにもかかわらず、私に対しては韓国語なのである。
外国語で話しかけられると、英語で返事をする癖のある私は、
「I don’t understand Korean. I’m Japanese」
と答える。
CAさんの顔が「?」となる。
おそらく予期していなかった言語だったのかもしれないし、私の英語が下手くそだったのかもしれない。
とりあえずCAさんの顔はとてつもなく困惑している。
次にまたCAさんがやってくると、今度は私の隣に座っている女性に「日本語で話しかける」。
隣の女性は韓国語で何やら文句を言っている。
おそらく韓国人だ。
想像するに、CAさんたちの間であそこの席に座っている人は日本人だから気をつけてね、という情報共有がされたのでしょう。
しかし、いざその席に行ってみると、どう見ても韓国人顔しかいないので、隣の女性に日本語で話しかけたところ、韓国人だったというおちだ。
実はその半年前には成田空港で韓国人に韓国語で話しかけられたこともあった。
その時は韓国語で話しかけられ、日本語で
「日本人です」
と答えたら、
「あら、日本人だったのね。ごめんなさい」
ととってもきれいな日本語で返された。
「じゃ、なんで韓国語ではなしかけんの」
となんか腑に落ちない気持ちになったことを覚えている。
どうやら、私の顔は韓国人顔なのかもしれない。
しかし、いろいろな国でその国の人に現地語で話しかけられるということを考えると、たぶん、私の顔は「OO人顔」なのではなく現地人顔なのかもしれない。
さて、エチオピアでもエチオピアの人々にそこの言葉で話しかけられ、道をたずねられたりするのだろうか。
エチオピアでの調査活動は私の現地顔の才能(?)を試す絶好のチャンスかもしれない。
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