エチオピアでクーデター未遂事件発生

2020年11月3日

6月22日にエチオピアでクーデター未遂事件が発生。

各紙の報道を見る限り、中央政権に対するクーデーターではなく、地方政府に対するクーデーターだったような感じです。

具体的には、エチオピア北部のアムハラ州でクーデター未遂事件が発生。
アムハラ州の州知事(読売新聞では州知事と表記しているが、アルジャジーラでは、the Presidento of Amhara regionと記載)のAmbachew Mekonnen(アンバッチュ・マコーネン氏)と彼のアドバイザーであるEzez Wassie(エザジ・ワッシエ氏)が殺害された。

22日の土曜日にアムハラ州の首都、バハルダール州役所で行われていた会議に、アムハラ州の警備長であるAsaminew Tsige(アサミノ・ツゲ)が乗り込み、州知事を射殺したとのこと。

そして、その数時間後に軍参謀総長であるSeare Mekonnen(セアラ・マコーネン氏)がアジス・アベバの自宅で、彼のボディガードにもう一人の将軍Gezai Abera(ガザイ・アベラ氏)とともに射説されたとのこと。

アルジャジーラの特派員は、セアラ・マコーネン氏はティグレ人であり、犯人グループはアムハラ人だと報告しており、1962年のエチオピアによるエリトリア併合以来続く、民族間の対立と捉えることもできる。

エチオピアでは昨年4月にアビー首相が、エチオピア連邦民主共和国になってから初めてのオロモ人首相となり、政治犯としてとらわれていた人々を釈放したり、人権侵害を行った官僚などを起訴したりと民主化に力を入れてきた。

また、昨年9月11日には1993年にエチオピアから独立したエリトリアとの国交も回復している。

今回の動きは、これまで政権を握ってきたアムハラ人が、オロモ人首相が推し進める改革、またはオロ人首相に同調するアムハラ州知事に反対する動きだったとも考えられる。

個人的に、昨年4月にアビー首相が就任してから、エチオピア国内で混乱や騒動が生じる場所が変わってきたような印象を受けます。

おそらく、その背景には、首相が変わったことで、政治体制や政策に不満を持つ人々が、あるグループからその他のブループへと移り変わったということなのかもしれません。

参考報道
読売新聞「エチオピアでクーデター未遂、参謀総長ら殺害」

Aljazeera “Ethiopia’s Amhara state chief killed amid regional coup attempt"

BBC “Ethiopia army chief shot dead in 'coup bid’ attacks"