エチオピア・ティグレ危機:人道的支援の現状
人道主義の視点から世界のなかなか知られていないニュースを配信する独立系サイト「The New Humanitarian」が「エチオピアのティグライ紛争で、数百人が死亡、数千人がスーダンに避難(Ethiopia’s Tigray conflict sees hundreds dead, thousands flee to Sudan)」という記事を配信しました。
雑ではありますが、特に人道的支援に関連する部分のみ要約してみました。
エチオピアにおける多党制民主主義はこの数ヶ月間危機に晒されている。しかし、北部のティグレ州で生じた紛争は人道的な災害となり、これまで歩んできた道のりから軌道が外れると同時に、アフリカの角の安定も脅かしている。
アビィ・アハメッド首相がティグレ州の与党TPLF(ティグレ人民解放戦線)への軍事攻撃を命じてから、ティグレ州のあらゆる場所で多くの負傷者が報告されていると同時に数千人ものエチオピア人が隣国スーダンに避難をはじめている。
国連の支援調整機関であるOCHAは、国内難民とエリトリアからの難民の200,000人を支援するティグレ州の支援活動は制限されていると報告している。
OCHAは周辺に住む9百万人が危険に晒されると予測しているものの、現地へのアクセスと情報を得ることが困難なため、全体像は描けずにいる。
この紛争によって近隣諸国の安定も脅かされることだろう。例えばスーダンも政治的な移行期にあり、エリトリアは隣接するティグレ州とは長年にわたって敵対関係にある。
隣国スーダン東部のカッサラ(Kassala)州の人道支援を担当するカリード・アルシル(Khalid Alsir)氏によると、2,700名もの難民がスーダンに入国し、さらに入国を待っている人々もおり、地方政府は難民たちを国境から難民キャンブに移送しているが、なかには4日間国境まで歩いたという人もいるという。
アルシル氏は「スーダンの難民受け入れには限界がある」と言い、国際機関に支援を要請している。
OCHAは、この紛争は大規模な難民が発生する可能性があり、すでに200万人もの人々が人道的支援を必要としていると報告している。航空路や陸路の規制は人道的支援に深刻な影響を与えUNHCRも、この地域の難民キャンプへの支援が難しくなっていると言っている。
ティグレ州はバッタの被害も国内で一番大きな打撃を受けた地域であり、来週には新たなバッタの群れが押し寄せるとも予想されている。
抜粋元
The New Humanitarian 2020 Ethiopia’s Tigray conflict sees hundreds dead, thousands flee to Sudan.
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